Goin'にMy Way.

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design

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 並べて語るものが芸術の場合、デザインとは”誰かの言いたいことを代わりに表現すること”かな、と思う。

文中にある「現在の状態からよりよい状態に変化するプロセス」は例えばユーザーインターフェイスのデザイン、というとコレになる。何のボタンをどこにどれくらいの大きさで何色でそのボタンを説明する文言をどこに置いたら、使いやすく間違いも起きない確実な操作を誰もができるようになるか、みたいな感じ。

例えば、テレビやエアコンなどのリモコンの電源ボタン。これはほぼ必ず一番上の右端か左端に配置してあり、場合によっては他のボタンと色が違うこともある。

例えば想像してみて欲しい。これが仮に他のボタンと同じ色で同じ大きさ同じ形で、尚且つ端ではなく色々とボタンが並んでいる間に、周囲のボタンとは何の関連性もないところにぽつんと配置してあったらどうだろう。

テレビやエアコンを付けたいのに電源ボタンがどこにあるかわからない。ただスイッチを入れるだけなのにしばらくリモコンとにらめっこしなくちゃならなくなる。

これは他のボタンでも同様で、例えばテレビリモコンでいえば、チャンネルのボタンや音量のボタンがぱっと見でわかるようになっているのは、誰かが”パット見でもわかるように配置してくれている”からなのだ。そして、その行為のことを”デザイン”と呼ぶ。

 

 対して芸術、アートとはアーティスト自らが表現したいことをそれぞれの手法を用いて表現する。アーティストの考え方次第ではあるが、それが必ずしも正確に伝わる必要はないし、受け手がそれぞれに解釈するのもアリだ。

ただしデザインはそうははかない。前述したように、明確に伝えたい事や目的が存在し、多数の人間が同じようにそれを受け取らなければいけない。

つまり、芸術という誰かに何かを伝える手段を用いて、クライアントがターゲットに伝えたいことを、代わりに伝えてあげるのがデザインなのだ。

 

 なので、デザインの善し悪しというのは正確な話部外者には判断することが出来ない。何故ならクライアントが伝えたい”何か”を正確に知る手段がないからだ。

アートの善し悪しは各個人が感じたことを感じたままに論じればいいだけなのでそこに正解も間違いもない。作者が「うん、それ正解」と思う答えが存在する可能性もあるが何も言わない作者も居る。それがアートだ。

ただ、デザインには明確に善し悪しがある。伝わっているか否か。見た目の綺麗さ等を論じることもあるが、とっちらかった文章よりも完結にまとまった文章のほうが伝わりやすいように、それは前提であったり手段であったりするのでそれが善し悪しを決めるわけではない。

例えば車のデザインなど、よく賛否が巻き起こる物の1つだが、あれほど一般人が善し悪しを判断するのが難しい物も珍しいかもしれない。

何か製品を作る上で必ず、ターゲット(性別、年齢、年収、嗜好など)を設定する。そのターゲットに合わせて、例えば車なら軽なのかコンパクトなのかワンボックスなのかセダンなのか。エンジンの排気量は?インテリアは?エクステリアは?値段は?と、ターゲットに好まれる、選ばれるように一つ一つ選定しデザインしていく。そしてその結果一つの製品が生まれるわけなのだが、その明確なターゲットと目的を一般市民が知る事がほぼ出来ないので、結果的にその車のデザインが上手く行っているのかいないのかを判断することが出来ないのだ。

当然、ターゲットからハズレている人から見ると、その車は全く魅力的には見えない。だから、そういう人はその車にマイナス評価を下す。

ネットには様々な年齢や年収や性別の人間が入り混じって書き込みをしているので良いという人もいれば悪いという人も居る。

もし仮に、年齢や年収などある程度固まったグループを作り、その中で一定の意見の方向性が存在していたり、メーカーが狙った年代のグループ内で評判が良ければ、そのデザインは”良いデザイン”ということになる。

逆を言えば、そこまでしないと良いか悪いか判断付かない。

 

 そういう意味で、今の日本ではデザインとは”見た目を作ること”という意味で使われているので、結局「好きか嫌いか」なんていう判断基準を持ってくるしか無くなっている。

まぁ、デザインと言う言葉の意味を正しく知ったからどうだって話でもないんだけど、最近車の板を見ていてそんなことを思ったので書いてみた。

今この世の中に存在している”モノ”は、必ず何処かで誰かがそう決めたからその形で存在しているんだ、と考えながら身の回りのものを見てみると”デザインの善し悪し”っていうのがわかってくるかもしれない。

 

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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