内向型人間の多くは外向型人間ほどエネルギッシュでもないし、バイタリティ溢れる人物というわけでもないし、スポーツ万能ってわけでもないし、矢継ぎ早に速いペースで他人と会話の応酬を楽しめるわけでもない。
自覚している人も多いと思うが、僕らは他者(世間の75%を占める外向型人間のこと)より遅く、他者よりエネルギー切れが早く、他者より応答性が低い。
しかしそれは僕らが脊髄反射で動いているからではなく、一旦頭で考えて計算し答えを算出してから動いたり発言したりするためだ。
また、エネルギーの充電方法の違いのためだ。彼らは人に会ったり話をしたり知らない人に会ったりという刺激で充電されていくが、僕らはそういった刺激から離れ独りで落ち着いているときに充電されていく。
彼らは普段の生活の中でエネルギーを消費しつつ充電もできるが、僕らは社会の中でエネルギーをひたすら消費し、家に帰ったら独りでひたすら充電するのだ。
そもそも彼らとはタイプが違う。性質が違うのだ。
そんな僕らに必要なことは”マイペースであること”。
周囲の75%の人間と歩く速度が合わせられないのであれば、自分が一番歩きやすいペースをみつけ、周囲に流されること無くそのペースで歩き続けることが大切だ。
ただ誤解してほしくないのは、別に僕らだって周りのペースに合わせて歩くことだって出来るってことだ。
だけどそれは激しくエネルギーを消費する。エネルギータンクはあっという間に空になる。それにエネルギーを充電しながら走れる彼らと同じように行動するのは持久力という点から見ても大いに不利だ。
そのような状態で走り続けることが、最高のパフォーマンスを発揮することとは真逆の行為であるということは今までの人生でも実感しているんじゃないかと思う。
僕たちには僕たちが一番能力を発揮できる、最高のパフォーマンスを発揮できる丁度いい速度というものがある。
例えば僕は運動音痴で体力も筋力もない。球技なんて絶望的に下手くそだ。
腕立て伏せなんて10回と出来なかった。
そんな僕が一時期少し筋トレをしていたことがあったのだけれども、その時は全部自分のペースト自分にできる負荷でやった。
普通の腕立て伏せのやり方では負荷が大きすぎるので最初は膝をついてやった。それでも最初は10回ちょっとでもう限界だったろうか。
それでも限界になったところからプラス5回やる!とは決めて、毎日少しずつ回数を増やし、30回ほど出来るようになった辺りで今度はようやく膝をつくのを止め、普通の腕立て伏せスタイルにしてまた同じことの繰り返し。
そうして僕は普通の腕立て伏せでも30回以上普通にできるようになった。最近はやってないからそんなに出来ないけどw
でも、これを誰か運動が得意だという外向型人間の指示のもとやっていたとしたらどうだろう。
きっと最初から膝も付かずに普通に腕立て伏せをやらされていただろう。10回で限界になって「もうだめだー」ってなっても、「それをあと3セット!」って言われて本当にへばるところまでややらされるだろう。
そして次の日には筋肉がバキバキになって仕事にも支障をきたすだろう。
さて。果たしてこんなペースで継続できるだろうか。これでパフォーマンスが上がるのだろうか。
そんなことはない。僕はこの自主筋トレでも学んだが、負荷というものはかければかけるほど良いというわけではない。もしそれが正しいのであればダンベルなんぞではなく車でも持ち上げていれば良いのだ。
負荷というものは、現状で持ち上げられるものよりちょっとキツイくらいが丁度いい。かかりすぎる負荷は体や心を壊し、継続しようという意思も折る。
このようなことが僕らの心にも起こる。もちろん体にも起こる。
周りのペースに乱され、無意識に、そして仕方なく過負荷な状態で行動をしていることが多いだろう。
けどそれは一旦やめよう。というか、今後はやめよう。それは自分はとっても辛いのに結果は全然でなくてその上すげー怒られるやつだ。踏んだり蹴ったりだ。僕らにとって利点は何一つとしてない。
だからこそ、自分のペースを見つけよう。自分の快適な歩く速度を見つけよう。
一歩一歩一つずつ。今日は10歩。明日も10歩。明後日も10歩。一週間経てば70歩進んでる。
自分のペースで一つずつ。それを続けること。これが一番結果を出せるやり方だと僕は思ってる。少なくとも僕はそういうタイプだ。あなたはどうだろうか。
そして、たとえ今日9歩しか進めなくても別にそれはそれで良いんだ。焦ることはない、と落ち着いた心で居ることも大事だ。
今日9歩だったのなら、明日11歩にしても良い。なんなら10.2歩を5日でも良いじゃないか。
どうしてもすぐに取り返さなければいけないことならその瞬間踏ん張るしか無いけど、世の中って案外そこまで急いでない。最近は特にそういう傾向がある。きっと75%の人達が気を使ってくれているんだろうと思うけど。その気遣いには素直にありがとうと言おう。
75%の人達とはそもそも速度が違うことを自覚し認識し認める。
そして自分の快適な速度、回転速度を見つける。
そしてそれを毎日コツコツと積み重ねていく。
それが僕たちの歩き方だ。